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ごあいさつ

会長挨拶

会長
郡 隆之

(利根中央病院 診療部長・外科部長、前橋工科大学 客員教授)

このたび、近藤博史前会長の後任として、一般社団法人 日本遠隔医療学会の会長を拝命いたしました。歴代の会長の皆様が築かれた道のりに敬意を表するとともに、その歩みを継承し、次の時代に向けた新たな責務に真摯に取り組んでまいります。

本会は、本年で発足20周年という節目を迎えました。これまでの歩みを振り返り、これからの10年をどう設計するかが、いま私たちに問われています。

この10年の間に、遠隔医療は制度面でも大きな前進を遂げてきました。たとえば、

  • オンライン診療料・再診料(情報通信機器を用いた場合)
  • 遠隔モニタリング加算(心臓デバイス、在宅酸素、CPAP、腹膜透析 等)
  • 処方用アプリを活用したデジタル治療(ニコチン依存症、高血圧)
  • TeleICU(遠隔集中治療支援加算)

といった項目が診療報酬に収載され、かつて「未来の医療」とされていた取り組みが、日常診療の中に確実に根づき始めています。

一方で、わが国の医療を取り巻く環境は急激に変化しています。高齢化と人口減少により、特に地域・離島・中山間地では、医療提供体制そのものが危機に瀕しています。遠隔医療は、これらの構造的課題に対する現実的な「処方箋」であり、医療の持続可能性を支える社会的インフラへと進化していくべきものです。

さらに近年では、AI・ロボティクス・PHR・デジタル治療(DTx)など、技術革新との融合が進み、遠隔医療は単なる「通信手段」ではなく、人と社会の健康を包括的に支える仕組みへと発展しつつあります。

こうした背景のもと、私たちは今後、遠隔医療に従事する専門職の育成制度の整備にも力を注いでまいります。医師・看護師・技術者・コーディネーターなど、多職種が共通の知識と倫理観のもとに実践できる基盤づくりを目指します。

また、学会ホームページやSNSなどを活用した情報発信や啓発活動も強化し、医療関係者のみならず、行政・技術開発者・一般市民にとっても、遠隔医療の理解と参加の「入り口」となる環境を整えていきます。

2030年までの国際的目標であるSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成に向けて、遠隔医療はそのカギを握る重要な要素です。
私たちは今後も、医療現場の声、利用者の実態、技術の可能性、社会課題を結び、科学的根拠と実装力に裏付けられた実効性ある遠隔医療を整備していきます。

日本遠隔医療学会は、医療職・開発者・研究者・政策担当者が共に集い、実践と検証を積み重ねる「開かれたプラットフォーム」として、さらに進化してまいります。

どうか今後とも、本会へのご理解とご参画を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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